Dr. Chloeのロサンゼルスに恋をして。第二章

歯科医師としてロサンゼルス滞在中。生活の中でポロリと出た独り言を呟きます。

人種差別のない世界は訪れるのか

こんにちは

 

さて、明日1月15日はキング牧師の誕生日!

ということで祝日です。

おお、キング牧師!なんか演説して有名になった人!ノーベル賞の人!!という私の恥ずかしながらうっすい知識。

ということで、せっかくなので、この機会にちょっとオベンキョしてみました。彼についてまとめたサイトをウロウロしてみました。

 

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今日はそのまとめを備忘録として。

 

キング牧師は、職と自由を求めるワシントン大行進において、リンカーン記念館で人種平等と差別の終焉を呼びかけた演説をしました。公民権運動に大きな影響を与えたようです。

 

以下、17分の演説、I have a dreamの中から有名な部分を抜粋。

 

 

”今日、明日、仮に困難が待ち受けていようとも私には夢がある。それはアメリカン・ドリームに深く根ざした、ひとつの夢です。

私には夢がある。 「万人は生まれながらにして平等である。これが自明の理であることをここに保証する」、この国家の基本理念を真の意味によって実現する日が来るという夢が。

私には夢がある。いつか、ジョージアの赤土の丘に元奴隷の息子たちと元奴隷所有者の息子たちが一緒に座り、友愛のテーブルを囲む日が来るという夢が。

私には夢がある。いつか、あの差別の熱にうだるミシシッピー州さえもが自由と正義のオアシスに変わる日が来るという夢が。

私には夢がある。いつか、私の子どもたち4人が肌の色でなく中身で判断される、そんな国に住む日が必ずくる。”

 

 

実際、かなり多くの民族が混じっているこのロサンゼルスに住んでいても、人種差別は多くあります。

 

日本人の私にとっては、”わからない”ことが多いんですよね。人種差別に対することって。こちらはなんとも思っていないことでも、周りから見たらすごく人種差別的な発言だったり、なんてよくあることで。今の発言レイシストに聞こえたらごめんね、と言われて初めて、え、そんなことで?別に気にならいけど…なんていうような感じで。

 

 

特に、黒人に対して、は日本人はなんというか「未知」の人種の対象である人が多いように感じます。

実際、黒人の友達がいる日本人は人口のどれくらいいるのでしょう。普段、関わりを持つことがあまりない人が多いのではないでしょうか。

なんとなく、「怖い」というイメージを持っている人も多いように感じますが、それは単純に体が大きくて強そう、または唯一黒人さんを見かけるのが、クラブや怪しげな店の前だったり、ということが原因かな?

 

差別をするほど、日本人は彼らのことをよく知らない。しかし、黒人イコール怖いって言う感覚自体が完全に人種差別ですね。

もっと彼らか未知である状態から抜け出さないといけないと思います。

 

 

白人の友達二人と飲み会中、酔っ払った友達に「日本人って、韓国人と黒人は好きじゃないんでしょ?」と言われたことがあります。

一瞬、驚き、なんと答えたらいいか少し言葉を迷いました。

日本人が韓国人に対して持っている感情と、黒人に対してのそれは全くと言って一緒だとは言えないもののような気がするし、それは、アメリカ人が持っている彼らへの印象ともまた全く異なるもののように感じたからです。

 

とりあえず、「私もK-POPが好きなように、私たちの世代は韓国が好きな人が多いし、黒人に対してはあまり特別な感情を持っている人は少ないんじゃないかな、そもそもあんまり日本で見ないからね。」と答えました。

 

「ふぅん。模範解答ね」とは言わないけれど、そんなような反応をされ、なんとなく煮え切らない気持ちになりました。

 

 

正直、白人至上主義はみんな口に出さないだけで、かなりの白人が持っているように感じます。

 

この一年半で一度だけ、人種問題で悔しくて泣いたことがありました。

それは、クリニックでのこと。一番優秀で、一番勉強家で、一番頼りある同期(非白人)に配当された新しい患者さんが、白人のドクターに代わってくれ、と彼を見て言ったようなのです。オフィスマネジャーは文句を言いながらも、後輩の白人ドクターにその患者さんを回しました。

もうそれを聞いた時にすごくショックで。

私はその同期のドクターがどれだけ一生懸命勉強しているか知っているし、どれだけ苦労しているのかも知っているから、彼の今までの頑張りを根本的に否定されたような気がして本当に悔しくて。

同期のところに走りより、

「なんで患者さん変わったの?!自分の患者でしょ、そんな理由で後輩の白人ドクターに回すとかありえない、変わるべきじゃない!もし患者さんがあなたに見られたくないんだったら、ドクターは変えられないので嫌なら病院変えてくれって言えばいいじゃん!」

と訴えましたが、彼はオフィスマネジャーが承諾したことだから、それでいい、というのです。

 

その日の指導医も、白人ドクターであり、まあ後輩に回せばいいんじゃない、となんの問題もない、という態度。

 

もう、本当にムカついて!私みたいな危なっかしい外国人に見られたくないっていうならば納得ですが、一番頑張っている優秀な彼がそこで手を引かなきゃいけないなんて納得できなくて。むしろ彼に配当されたことを感謝して欲しいくらいなのに!

 

診療後もその日の出来事を思い出して泣きながら帰ったのを覚えています。

帰宅してもモヤモヤはおさまらず、それを日本の友人に電話で愚痴ったのですが、いまいちこの思いをわかってもらえませんでした。

まあ、仕方ないじゃない、と言われて終わり。

いい意味で、日本人はそういう差別感情がないから、イマイチ状況が伝わらないのだな、と平和を感じました。(ある意味ではそれはすごくレイシストな国だとも思いますが。)

 

 

肌の色で人間を評価することの悲しみや悔しさを人生で初めて身をもって体感したあの日のことは絶対に一生忘れないでしょうし、ある意味いい体験だったと思います。

 

 

キング牧師の演説から半世紀経った今でも、色濃く残る人種差別問題。

これが完全に消えるまでにはあとどれくらいの年月が必要なのでしょう。

何世代時代が変わればいいのでしょう。

 

アメリカに来なければ知らなかった感情、それを知ってしまった以上、こうやって少しでも誰かに現状を伝えたいな、と思って記事にして見ました。

まだまだ、日本人の私には分からないことだらけのこの問題。

もっと知っていきたいな、と思っています。

 

 

ではでは

Have a great day!!