Dr. Chloeのロサンゼルスに恋をして。第二章

歯科医師としてロサンゼルス滞在中。生活の中でポロリと出た独り言を呟きます。

アメリカの歯科治療は高額!?

こんにちは。

 

アメリカに留学、転勤などで長く滞在する予定があるならば、なるべく歯科治療は日本で済ませていったほうがいい、と言われたこと、ありませんか?

 

それはなぜか。

ただ単に、めちゃくちゃ治療費が高い!からです。

というか、日本の医療費が安すぎる、ということもあるのですが。

なぜ、そんなに高いのか。

 

 

まずは日本の医療システムのおさらい!

日本は国民皆保険制度、つまり国民はみんな保険に入りましょうね、という制度のため、一般の人は全額の3割を負担すればオッケーです(高齢者、低所得の場合はさらに低い1負担です)。

また、政府が治療に対する値段を決めているので、どこの病院に行っても、基本的には保険診療で同じ処置をした場合は同じ値段、そのうちの3割を払うことになっています。

 

しかし、アメリカでは、民間が保険会社をやっており、各個人が民間保険会社と契約をします。2014年からオバマケアが始まり、国民皆保険制度をとるようになったため、民間の保険と契約をしない人はメディケア、メディケイドと言われる公的保険制度に加入することになっています。

メディケイドは州によって呼び方が違うので、ここカリフォルニアではMedi-Calです。

 

どっちも皆保険制度なんじゃん!

じゃあ日本との保険制度の違いは何か、というと、保険会社によってカバーしている治療内容が違うのです。

 

つまり、A会社の保険に加入している人はこの注射が打てて(保険がカバーされて)、B会社の保険に加入している人は、全額ポケットマネーで払ってもらわないと注射が打てない、ということになるのです。

 

しかも、一つ一つの治療の値段が日本のように政府が決めているわけでないため、自由競争があります。ドクター側が値段を設定している。

専門医に診て貰えば、それだけ高い値段が設定されているし、物価の高い場所なら、それもまた高い値段で設定されているし、といった感じです。

 

そのため、ドクターが治療方針を決めた後、すぐに治療に入れるわけではなく、一度保険会社にカバーしてくれますかー?といちいちプレオーソライゼーションといったお伺いをたてるのです。

 

あーめんどっ。

こっちの身にもなってくれ。本当。

処置方針決定して、その前にいちいち秘書のところに保険について聞きに行って、カバーされるのか、されるならプレオーソライゼーションは必要なのか、を聞きに行かなければいけないストレス。(だったら覚えろよ、ってツッコミがきそうですけど、これがまた数が多い。いちいち全ての保険会社の契約なんて覚えてられませーん。)

 

 

これが、アメリカの医療費が高い!って言われる秘密です。

つまり一言で言うと、

ドクターが勝手に治療の値段を決めている!!

保険でカバーされたかったらいい保険に入りやがれい!!

ということですねん。

 

さて、ではどれくらい高いのかというと。

 

ここで、日本の歯科治療とアメリカの含むその他の国との歯科治療の治療費の平均を比べてみましょう。

 

 

  根管治療 レジン充填 インレー
日本 5,839 2,851 5,795
アメリカ 108,011 25,724 108,101
カナダ 52,764 10,567  
フランス 43,920 11,880 25,661
ドイツ 14,146 6,218 23,993

(為替レート$1=122円・ CS=79円・1ユーロ=106円) 

首相官邸HPより引用。

 

根管治療の比較を見てみましょう!

根管治療っていうのは根っこの治療です。

針みたいな鋭い棒でグリグリやられるやつです。

 

おっとー!!

なんとアメリカの治療費は日本の18倍以上!!

 

日本の次に安いドイツですら2.5倍近くの数字になっています。

ひゃー!!ですね。ひゃー!!

 

しかも、これはあくまでも平均なので、アメリカで専門医に見てもらった日には、もうこのさらに何倍!という額になるでしょう!!

 

 ひゃー!!

 

 

でーは、今日はこの辺で。

 

Have a great day!!