Dr. Chloeのロサンゼルスに恋をして。第二章

歯科医師としてロサンゼルス滞在中。生活の中でポロリと出た独り言を呟きます。

歯医者が怖いあなたに朗報。歯科麻酔科ってなに?

こんにちは!

 

今日は、読者、Yui先生頂いたコメントをもとに記事を書かせていただきます。

 

初めまして。
私は今日本の大学病院で研修医をしているのですが、いつかアメリカで生活したいと学生時代から思い続けています。
先日Chloeさんのブログを見つけてからは、ひたすら読み漁っています。

今回はChloe さんに聞きたいことがあってコメントさせていただきました。
現在、私は歯科麻酔科に所属していて、麻酔の仕事・勉強がとても大好きなので麻酔科の大学院に行こうと考えています。
一方で、アメリカに行きたいという気持ちも捨てきれずに悩んでいるのですが、アメリカでは全身麻酔を行う歯科麻酔科はメジャーではないのでしょうか?口腔外科にとりこまれているのでしょうか?
また、将来的に歯科麻酔科医としてアメリカで生活していくことは可能でしょうか。

来年から大学院に進学するか、歯科麻酔認定医のために医科研修に出て英語を勉強しながらアメリカへの資金を貯めるべきか切実に悩んでいます。

お忙しいとは思いますが、お返事いただけたら幸いです。

 

 

 

歯科医師の方からの反応が増えて来て、歯科医師の皆様の役に立てるようなことは全く書いていないのに嬉しい限りです!

 

さて、まず、一般の方々のために少し麻酔科について説明いたします。


え、歯医者って麻酔科あるの?
麻酔って歯医者全員するんじゃないの??
麻酔ってあの虫歯直す前に打つ注射でしょ?

と思ったそこのあなた。
はい、あれも麻酔です。

しかし、歯科麻酔科では、あの麻酔ではなく、主に全身管理をしてくれる専門の歯医者さんたちが揃っています。

 

全身管理ってなんやねん、ってゆうことなんですが、
歯医者さんが怖すぎて寝てる間に歯の治療してくれればいいのに...って思ったことありませんか?


はい、出来ます。点滴をしながら、半分眠った意識の中、リラックスした状態で治療できます。(静脈内鎮静)

 

また、笑気と呼ばれる、吸うと楽しくなっちゃう麻酔をかけて治療をしたり。
(これ、学生の時実習でかけてもらったんですが、すっごい楽しかった。笑
が、笑気は人によってかかりにくい人もいます。)

 

うちのおじいちゃん、病気持ってるし、歯科治療不安だわ、という方、麻酔科がいれば心電図や呼吸をモニターしながら静脈内鎮静も可能です。

 

矯正のために骨を切るの、口の中の癌になっちゃった、などなど大きな外科手術を口腔外科でする時、全身麻酔でオペになります。この時、全身麻酔をかける担当になるのも、麻酔科の歯科医師です。

 

全身麻酔って、医者がするんじゃないんだ?!歯医者がやるのは何が違うの??

私の認識では、違いはありません。
ただ、歯医者ができるのは、麻酔をかける患者さんの病名が歯科口腔疾患であること。


さて。
頂いた質問、
歯科麻酔科はあるのか?
という質問ですが、
答えは、あります。
口腔外科とは別に存在していますね。
もちろん、大学にもよるでしょう。
日本の大学だって、麻酔科と義歯(入れ歯を作るところ)が合併しているところだってありますからね。

UCLAに関しても、歯科麻酔科は存在します。

麻酔科のレジデントプログラムのリンク貼っておきますね。

 

Advanced Dental Anesthesiology | UCLA Dentistry

 

 

しかし、どうやら、現在プログラムの見直しのために麻酔科のレジデントは募集していないって書かれてありますね。

 

また、半年ほど前に、南カリフォルニア大学、通称USCで、歯科麻酔科医のポストの募集がありました。

それは、レジデントプログラムとかではなく、1年だけ常勤で働けて即戦力になる、ペインコントロールもできる人が欲しい、っていう募集だったのかな?(人づてに聞いた話なので曖昧ですが、おそらく常勤の方の留学か産休か何かのために一時的にポストが空いたのではないかと予想。)

 

基本的に各大学は情報を公開していますので、

dental anesthesiology 

って単語と大学名を売ってみると大体情報源にヒットするので検索してみるといいと思います。

 

アメリカで将来歯科麻酔科医として生活していくことは可能か?

という質問は、

可能か不可能か、というと、「可能」です。

しかし、本当に可能にするためには、もちろんアメリカの歯科医師のライセンスを取らなければなりませんし、歯科医師ライセンスを取るためには、取るための教育を受け直さなければなりません。

 

過去記事参照。

www.losangels.link

 

上記の記事でも書いているように、資格だけ取ったらオッケーか、と言ったらそうではなく、今度はビザの問題もありますね。

大学なり、会社なり、配偶者なり、ビザのスポンサーになってくれる人が必要です。

 

ということで、これらのことをクリアできれば、可能でしょう。

そして、収入もかなりいいと思いますよ。

 

 

私は、口腔顔面痛の知識もほぼスズメの涙ほどでこのプログラムのレジデントとなりました。

ほとんどのレジデントは、そういうパターンが多いです。

なので、もし英語力と、お金の面での問題がなく、アメリカで麻酔を勉強したい、という目標があるのならば日本で麻酔を勉強してからアメリカでやろう、と考える必要はないと思います。

特に、免許を取り直すことを考えると、一番安く、早く、の道はアメリカでレジデントをやって、国家試験受験資格を取ることなので、さっさとアメリカに渡ってしまって、麻酔科レジデントなりをやって、アメリカの歯科医師免許とって…という道がいいのかな、と。

 

こんなんで質問の回答になっているでしょうか…。

あまり麻酔科についての情報が入ってこないので、お役に立てたかどうか…。

 

 

さて!

一般の皆さんに知っておいて欲しいことは、歯医者さん、もうほんっと、死ぬほど無理なんだよ…でもなんとかしなきゃいけない歯はたくさんあるし…という方、いると思います。

 

今まで一般歯科を日本でやっていた時に出会った方でも結構いました。

体の大きいお兄ちゃんが歯医者の私を見てブルブル震えちゃったり…とか、あるんですよ。

歯医者さんが怖いのはあなただけじゃないです!安心してください!!

 

なので、そんな方は、麻酔の知識の豊富な先生のいる歯科医院や、大学病院に行くと相談に乗ってくれますからね。

 

そんな歯科医院発見のための検索ワードは

「笑気」もしくは「静脈内鎮静法」

です。必要な方はぜひ探して見てください。

 

 

一般の方からの歯医者さんに聞きたいこと!

などもどんどん質問受け付けていますので、お気軽に相談してください。

アメリカでは、私が患者さんと電話で話すだけで少し料金いただいていますが(私がじゃなくて大学病院がもらってるからね。うん。)、このブログでは無料ですよ!!笑

 

 

でーは!

Have a beautiful day!!