Dr. Chloeのロサンゼルスに恋をして。第二章

歯科医師としてロサンゼルス滞在中。生活の中でポロリと出た独り言を呟きます。

お金儲けは悪なのか?

こんにちは

 

前から思ってたのが、アメリカの周りのみんな、お金稼ぐの上手だなーって。

日本人って、「お金儲けは悪である」

みたいな風潮があるよね。

 

日本昔ばなしでもなんでも、いつもいい人は貧乏でお金もちが悪い人。

貧乏人がお金持ちをやっつける、みたいな話ばっかりが感動の教育ストーリーで。

その逆でお金持ちが善で貧乏人が悪、という設定でなりたっている話は聞いたことがない。

 

しかし、実際、お金持ちとは言わなくとも、ある程度生活に困窮していない人の方が、素直で人を疑わない、箱入りタイプ、つまりいい人が多いと個人的には思っている。

 

 

お金持ちは、悪という思想。

日本は村八分、じゃないけど、出る杭は打ってしまおう方式の教育を子供の頃からしてるのだろうな。

社会を簡単に統一させるためにお偉いさんが勝手に作ったレールがうまく働いている気がする。そんなんを聞かされて育つ日本の子供、なかなか操作されてるなーって思う。

 

 

小学校の時に、どうして勉強するの?ってクラスメートが先生に質問した時、先生は、将来お金を稼いで生活をするために有利になるからよ、ってーなことを言ってたきがするけど、だったらなんでもっと手っ取り早くお金を稼ぐ方法の授業をしてくれないんだよ、と思ったことがある。

 

きっと、大きくなったら(子供の頃の大きくなったら、はなんとなく時間が経過したらって意味だった)そんな授業があるんだろう、と漠然と思ったけど、大きくなった今、そんな授業を受けた記憶はない。

 

 

 

アメリカ人は、お金を稼ぐこと、儲けることに対して、悪である、という謎の概念が日本に比べて少ないように感じる。

アメリカには全然ないわけではない。

ある。気がする。

Money is the root of all evillっていう記事、この間読んだし。笑

もちろん、嫉妬やなんかもあるだろうし。

でも、たとえあったとしても、気にせず儲けを追求する人が多い。

 

そうやって稼ぐのか!

日本じゃ絶対ありえない!

というような考え方や稼ぎ方をしたりする。

私は私の生きている業界、歯科医師の世界しか知らないけども。

 

 

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びっくりしたことをいくつか紹介。

その1

専門医を持っている歯科医師の歯科医院の見学。

日本で見学するならば、もちろん0円。

皆さんでどうぞ、とスタッフ全員分に菓子折り持っていく人も結構いるけど、別に必須ではない。見学側の自己判断。

 

アメリカでは、チャージするところはする。

しかも結構な額する。

ただの1日の見学で1500ー2000ドル(15まんから20万円)の請求である。

自分がお金と時間をかけて培ってきたものを盗みに来るんだからお金取って当たり前でしょ、という感覚。

かたや無料で、かたや20万って!

 

 

その2

情報は貴重な財産である、という考え方

例えば、専門医の試験の受験準備の際。

筆記試験は、難関である。

はっきり言って、ちょーむずい。

日々の臨床にもちろん沿ってはいるものの、もちろん対策が必要。

で、出てくるのが、どっかの専門医のプログラムが作った試験対策ノート。

結構な大作。

これ、一部3000ドル(30万)。

30万のノートって。爆

 

 

また、専門医の口頭試問。

これは約1.5時間の尋問形式。笑

これは、UCLA卒業生が主催で対策が行われている。

自分たちの後輩(私たち)にはタダで口頭試問の練習をしているが、そのほかの人たちには練習一回で2000ドル(20万)。

世界各国から受講希望者がおり、オンラインテレビ電話で参加可能。

ヨーロッパやアジアからの参加者も毎年いるようだ。

毎回10人前後の参加者がいるため、あっという間に1日で200万円。

日本でこれやったらいくらチャージできるかな。

せいぜい一人1回の練習だったら15000ー3000円程度かな。

もうちょっと取れるかな。にしても、余裕で丸が一個違うだろう。

 

その3

治療費が違う

これは、比べやすいように、日本で行う歯科医療農地、日本国の保険を使わず、歯医者の言い値で払う自費治療の場合の話。

一般の歯科治療は様々。矯正治療はアメリカの方が安いし、被せ物なんかはだいたい日本だろうがアメリカだろうが同じくらいの値段。(でもやっぱアメリカの方が高いかなー)材料によるけど1本8−15万円くらいです。

 

しかし、私の専門の分野、睡眠時無呼吸症候群、そのための口腔内装置!

これは大きく違う!!

日本だと、自費で2万5千円くらいでやってる先生が多いよう。

アメリカだと、1500ドルから3000ドルくらい。(15万から30万)

日本の価格設定は、材料費や手間を考えると、これくらい、っていう設定の仕方。

アメリカの価格設定は、あまりほかの歯科医がやらないことを俺は勉強して、提供するのでガッツリとるぜ、というスタンス。

 

まあ、高いだけあって、材料自体のクオリティーもアメリカのほう全然良かったりするので、単純に比較できないのですが。(アメリカのクオリティーだと作製費だけ考えても日本の費用では赤字)

…とはいえ製作費、歯医者がラボに注文して、技工士さんが作ってくれます。チャージは350ドルくらいかな。

私、もともと入れ歯を作る部署にいたので、作り方知っています。

材料費自体はせいぜい1000円くらいじゃなかろーか。

(日本の低クオリティーな装置の材料費だったらおそらく数百円…もするかな。下手したら数十円。)

それにレイバーがついて350ドル。

それを受け取った歯医者がレイバー込みで3000ドルチャージ。

だって、俺たち、ほかの歯医者が受けていない、特別なトレーニング受けてるもーん、それにお金と時間割いたもーん、という理論です。

 

 

そんなこんなで、周りのみんなから学んだことは、自分が自信を持って提供すれば、いくら高くてもそれを欲する人の需要は必ずある、ということ。

 

こういう感覚に慣れてしまうと、日本に帰ってどのように歯科医療をやっていけばいいのか、少しわからなくなってしまいますね。

 

上では比べやすいように自費診療だけの話をしましたが、次に実際のシチェーションに近い、日本での保険診療を含めた話。

 

いま私が患者さんを治療すると、初診料(処置なしのこんにちは、って言うだけ)で約3万円です。

日本に帰ってこんにちは、って言ったら、保険で2340円。このうち患者さんは1−3割を払います。よって1000円は超えない。

30分の1か…。

テンションだだ下がりです。笑

 

 

さてさて、明日は後輩という裏技を使って30万円?の病院見学をタダでさせてもらってきます。

MBAを持っているビバリーヒルズの口腔顔面痛歯科医師のOBのところへ経営のお勉強です。

また新たな、気づかなかった戦略を垣間見れることを期待してます。

 

ではでは

 

Have a wonderful day!