Dr. Chloeのロサンゼルスに恋をして。第二章

歯科医師としてロサンゼルス滞在中。生活の中でポロリと出た独り言を呟きます。

アメリカでレジデントって大変ですか?という問いに答えてみる。

こんにちは

 

よく聞かれる質問に、「アメリカでレジデントって大変ですか??」があります。

 

今日はその質問に答えてみようかと思います。

レジデント、インターン、意味は同じです。(おそらく)

 

 

私は、慣れるまでは大変でした。最初の半年から9ヶ月くらいまではもう毎日泣きそうでした。

睡眠時間も削って削って、それでもやることは終わらず、これが日本語だったらこんなに苦労しないのに!!と、アメリカに来たことを後悔し、簡単な課題に時間がかかる自分にイライラし、さらっと終わらせるネイティヴの同期たちにイライラし、唯一外国人である私を特別扱い(いい意味でなのですが)してくれる上司たちにムカつき。もう毎日パニック。

何度かトイレで隠れて泣きました。笑

 

 

でも、人って慣れるもんなんですよね。

今や私は先輩。後輩に涙は見せていません!笑

 原因は、手の抜き方がわかった、英語力の上達、医学的知識の定着…などなど、いろいろあると思いますが、一番は、パターンが定着した、ということだと思います。

 

例えば、初めて患者さんに処方箋を出すために薬局に電話をした時(日本では電話での処方はできませんがアメリカは可能)、薬剤師さんにため息をつかれました。

何故ならば、聞かれることがわかっていないから。

患者さんの生年月日、名前、その他、処方する歯科医師のライセンス番号や、処方のための個人番号、オフィスの電話番号などを聞かれます。もちろん、薬の情報もですけど。最初はそんなん知らんし。なんだその番号。そもそもそんな番号もってないし。(だから教授の番号を使うのですが、そんなこと知らんし。)

 

先輩のレジデントに聞いても薬剤師が聞いてくることに答えるだけだから大丈夫、と言われ、恐る恐る電話をするも、そもそもオフィスにかける電話に出る人たちってびっくりするくらい愛想ないんですよね。まくしたてるように聞かれる質問にしどろもどろ。

番号を聞かれているのはわかっても、どの番号を聞いているのかわからない。聞き返すしかない。また、次の質問。あた聞き返す。また次の質問。聞き返す…

そのうち向こうもイライラしてくるのが感じ取れるし、こっちもナーバスになってくる。てゆーか、通じてないのわかるんだから、もう少しはっきり話すとか、ゆっくり話すとかないわけ!?(と思うのは日本人の感覚なのでしょう)

 

1回目はこんな散々でしたが、2回目はなんとかなる。少なくとも、何を聞かれるのかわかっているため、聞き取りレベルは80パーセント以上アップ。(最初が低すぎ。)そして番号を用意して待つことで時間80%短縮。

 

こんなことの繰り返しです。

これって、英語だとか日本語だとか関係なく、そもそも知らないことって聞き取れないんですよね。日本語での日々の仕事での会話も多分、音をしっかり聞き取っているわけではなく、わかっているから理解をし、実際の日本語の一音一音って大して大事じゃないんだと思います。

 

 

電話での処方を例にあげましたが、これはクリニックでの仕事の例。実際体を動かす系の作業はこのパターンの獲得の積み重ねです。

これは国や言葉は関係ないですね。ただ、日本でこれをやる場合、言葉の壁や文化の壁がないぶん、予測という能力が働くため、初回から少しまし。この予測する能力が使得ない私は一人完全に初めてのお使いに出る小さい子供のよう。

すでにどのパターンも一回りしたであろう今はもう大丈夫です。

 

 

 

さて、クリニック以外ではどうかというと…

不定期な課題や試験はランダムにやってくるので、細かくは言えませんが、定期的な課題は、だいたい論文を週に10本読んで週に一回みんなで一つずつディスカッション、パワーポイントで15分程度のケースレポート一本、薬についてのプレゼン一本、何かしらラーニングトピック一本の三本のプレゼンをします。プレゼンのためにまた論文を読む必要があります。この週に3本のプレゼンづくりが最初は辛かった…。パワーポイントのノート機能に英語のカンペを作るも、読むな!って怒られるし…。プレゼンは毎回朝なので、ギリギリまでパワポ作って、プレゼンの練習ゼロでいきなり本番、な日もあったり。そしてプレゼンスキルの評価を毎回されます。

 

最初な頃は本当にどう頑張っても課題の論文読み終わらなくて、グループディスカッションにならなくてみんなに迷惑かけたり。次の患者さんを待つ間の数分でも論文読んでたりするんですが、それでも全然追いつかない。周りのネイティブたちでもヒーヒー言ってるのに、読むのに彼らの軽く3倍…いや、5倍以上はかかる私にとっては地獄でした。

 

 

しかしこれも、かなり“慣れ”ました。(まだまだヒーヒー言ってはいるのは変わらないのですが)

一年経った今、論文は、同じようなものばっかり読まされるので、何が大事なのか予測がつくため、読み飛ばすという手抜きスキルを身につける。(前みたいに真面目に全部読んでいない…)

プレゼン製作も去年のスライドを使い回したり、少なくとも知識がつい多分、テーマを考える時間が短縮。

 

 

 

なので、「レジデントは大変か?」と聞かれると、大変なのは慣れるまで。慣れてしまえば、そんなに大変ではないです。

 

朝は早いけど(最も早い日は朝6時半から患者さんのアポ)、帰りはそのぶん早いし(遅くても五時。早い時はもっと早い)。みんな終わった後にダラダラ残ろうとしないから、さらっと帰れるし。

残って勉強するのは自由ですが、基本フリータイムです。

 

帰宅後、ダラダラとベッドに寝転びながら、明日の患者さんのカルテチェック。当日の朝に、その日に来院する全患者さんのケースプレゼン(これはパワポではなく口頭のみ)をするので、それに備えて軽くメモ。翌日する処置、処方の再確認。

 

 

私のポテンシャルがもっと初めから高かったらそんなに苦労を感じることもなかったでしょうに。という感じです。

 

 

他の医局のレジデントのことは詳しくはわかりません。

しかし、だいたいみんな私と同じような感想を持っているイメージです。

 

 

 

さて、手抜きが出来るようになってきた、とか言っている場合じゃなくてもっとしっかり勉強しないとダメですね!
レジデント満期のあと8ヶ月。頑張ります…!

 

同期と一個上のレジデントガールズでの1枚。

 

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でーはみなさん

 

Have  a wonderful day!!