歯科医師の卒業大学、気にする?
こんにちは!
今日も質問回答!
KAZUさんからいただいた質問を記事にしてみます。
『アメリカで歯科医師をするにあたって学歴は関係あるのか?』
ということですね。
KAZUさんは私立の合格した歯学部を蹴って国立大学の歯学部を目指して浪人しているところ、ということなのですが、まず日本の状況から私が思うことを書いてみようかと。
答えを一言で言うと、日本もアメリカも学歴はあまり関係ない、と思っているからです。
先に言わせていただきますと、私の経験をどこまで書くか迷いました。
せっかくいきたい大学を目指して努力しているKAZUさんのことを否定するような結論になってしまうのですが、あくまでもこれは一つの意見として自分の意思を貫いていただきたいです。ということを先に強調させてもらいます。
そして、同じように悩んだ経験がある、私の話をへー。くらいに思ってくれれば嬉しいです。
実は私自身、入りたかった大学とは違う大学を卒業しましたが、全く後悔していない、むしろ、この大学でよかった、と今は思っています。
私は私立の歯学部出身です。
私は高校生だった頃、学部より先に大学を決めました。地元の国立大学。いわゆる旧帝大。そこの大学に行きたい、というのが先にあり、その中から歯学部を選びました。前期日程は歯学部。後期日程は理学部。
そして父の母校である私立の歯学部の受験。
と言うことで、まあ大学名だけ先に決めたあたりからして、私もネームバリューや学歴なんかを気にしたいお年頃の高校生でした。
結局、国立前期の歯学部ダメだった時点で、ちょっと待てよ、私ほんとにいいのかな?という気持ちが湧いてきました。
センター判定で後期日程の理学部はA判定であり、このままいくと理学部かと思った瞬間うーん、これは私のやりたいことだったのか...??と疑問に思い始めました。この大学ならどこでもいい、と思ってたのですが、人生長い目で考えるとなんか違う気がする。
しかし。多分理学部に受かったら元々の目的達成だし…とか考えるとこっち選ぶだろうなぁ...でも後々歯医者になっておけばよかったって後悔する気がする...と、受かってもいないのに受かった時のことを心配しはじめました。笑 なんておめでたい。ただのセンター判定で。笑
散々悩んだ結果、結局後期試験は受けず、親も勧めてくれたので私立の歯学部に行かせていただくことになりました。
と言うことで、入学した後も最初のうちは、ああやはり浪人してそこの歯学部に行けばよかったんじゃあないか…??
などと考えましたが…
今考えると、高い学費(国立の10倍ほど)の学費がかかる私立に行って自分の人生で必要になった時にその一年をどこかで使いなさい、と行ってくれた親に本当に感謝します。入学前のこの時の言葉が10年後のアメリカ行きを助けてくれたようなものです。
と言うのも、歯医者になってしまったら、学歴なんて実際全く関係ないからです。
もちろん中には気にする患者さんもいるかもしれません。
KAZUさんの仰るように、いい大学でないから、腕が良くないんじゃないかと思っている人はいるかもしれません。
ではどのくらいそんな人がいるの…?それによって失う生涯年収はどれくらい?
と言うことを考えると…全くもって!!差はないと思います。
歯科医師になって5年、患者さんに出身学部を聞かれたことは一度もありません。
歯科医師になって5年、国立大学出身者より自分たちの大学出身者が劣っていると感じたことはありません。
歯科医師になって5年、出身大学のせいで差別を受けたこともありません。
実際バイト先のうち、一つの医院は国立大学出身者が多いクリニックでしたが、何が問題かって、たまに道具の呼び方が違うくらい。そんなの一回、何それ?と聞けば解決です。はいはい。あれね。と。知識量の違いなんて保険診療をする範囲では全くありません。
そもそも歯科医師になるために必要な国家試験をクリアする知識をつけた時点でみんな同じです。運転免許と一緒。どこの運転免許センター卒業したタクシーに乗りたいなんて考えたことないですよね。
実際、私自身、自分がお世話になっている内科も眼科も耳鼻科も、先生の出身大学を気にしたことなんてないですし、知人からあの先生はどこ出身の先生だからいいわよ、とか悪いわよ、とか言われたことは少なくとも私はないです。
そして実際歯科医師としての差がつくのは卒業してからだと思います。
どれだけ積極的に卒業した後に勉強するかでそこから先は変わってくるでしょう。
もし私が、本当は理学部が第一志望だったならば、国立に行った方が良かったかもしれません。その後、就職活動をする時に学歴が高い方が有利になる可能性があるからです。しかし、歯科医師になって就職できなかった人なんて今まで一人も聞いたことありません。どこの大学出身でも、就職先は絶対ありますし、初任給は就職地によって地域差がある程度でしょう。
また独立開業ができる仕事ですので、開業してしまえば自分がその城の王です。学歴にケチをつける人は自分の開業したクリニックにはいないでしょう。
低い偏差値の歯学部に行ったからって歯科医師としての才能がない、なんて完全に間違っています。国家試験に合格できるのならばそんなこと全くないです。
オリンピックで金メダルを取るのに、ハーバードで運動の原理を学ぶ必要はありません。最低限知っておかなければならない知識を身につけた選手は、あとは実践あるのみです。ひたすら体を動かしてパフォーマンスを上げて行きます。
歯科医師もそれと同じ。
基本的に歯科医療は外科です。話を聞いて薬を処方する内科とは違って、手先を動かす必要があります。日本一知識量の多いスーパー不器用で経験値のない歯科医師か、経験を積んだ、常識としての歯科知識のある歯科医師。私は後者に虫歯を治してもらいたいです。
逆に、私立でよかったと思うことは、卒業生が多い点、卒業生がやたら後輩を可愛がってくれる点です。仲間意識が国立の出身者よりも高いような気がします。
先ほど差別を感じたことはない、と言いましたが、いい意味での差別はよくあります。出身大学の後輩だから、と言う理由で可愛がってもらえたり。勉強会に読んでもらえたり、共通の知人の話で盛り上がったり。
どこの地方歯科医師会でも同窓生を見つける割合はかなり高いので困った時に頼れる人がいるでしょう。
ちょっと私立について熱く語ってしまいましたが、
国立に行くメリットももちろんあります。
まず、何たって学費が安い!!
これにより、在学中のストレスを減らすことができるでしょう。私立の学生は、うう、もし留年したらプラスうん百万か…と言うプレッシャーとの戦いを強いられています。
また、研究者になりたいなら、多く国から補助金を受けている研究室に学生のうちから顔をだすことができる!!著名な研究をしている先生に学内で会える!!
くらいかな。
アメリカのこと聞いているのに日本のことばっかり述べやがって!!と思うかもしれませんが、実はアメリカ人の歯科医師数人に聞き込み調査をしたところ(友達と雑談しただけだけど)、私が日本の歯学部に対して思っていることとほぼ一致しました。
卒業大学を気にする患者さん?
まあ、いなくはないんじゃない?あんまり会ったことないけど。
卒業大学を気にする歯科医師??
まあ、いないとは言わないかな。
みんながみんな、自分のところがベストだって言うよ。
と言う感じ。
でした。
と言うことで…
まあなんだかんだ否定的なことばかり言ってしましましたが、
KAZUさんが行きたい大学があるのならば、絶対そこにいくべきです。浪人してまで自分の行きたかった大学を卒業した、そこで歯学を学んだ、と言う事実は長い歯科医師人生で絶対に強い自信となってKAZUさんを支えるはずです。
私は第三者的な目からみたことを話しましたが、自分のキャリアとして自分を誇りに思えるのならばそれには価値があると思います。
そして、学費をセーブしてそのお金を開業資金なり、将来の歯科医師としてのキャリアに使えれば、完璧ですね!!
浪人生活は大変だと思いますが、志望校合格に向けて頑張ってください!
実際、読者の皆さんどう思いますかね?
私はお医者さんにかかるとき、すごく出身大学気にするよ!って方がいたら、ぜひ意見を聞かせていただけたら、と思います:)
ではでは
Have a great day!!!